連帯保証人である兄に突然降りかかった多額の借金。親子間売買で競売回避し、平穏な生活を取り戻しに成功

この解決事例の要点

ご相談の時期 小川さんが当社へ相談に来られたのは、裁判所から「強制競売の開始決定」という手紙が届いて間もない頃でした。それ以来、自宅にはたくさんの郵便物と、毎日のように怪しげな人が訪ねてきている状況でした。 経緯とご相談内容 小川さんは73歳、そして68歳の妻と39歳の息子の3人で暮らしていました。小川さ...

ご相談者について

ご相談者小川俊充さん(仮名) / 当時 73歳 / 男性
お住まい京都市上京区
物件一戸建て
ご職業無職
ご家族構成妻と息子(39歳)の3人暮らし
残債務約7,000万円
ローン債権者大阪信用保証協会

ご相談の時期

小川さんが当社へ相談に来られたのは、裁判所から「強制競売の開始決定」という手紙が届いて間もない頃でした。それ以来、自宅にはたくさんの郵便物と、毎日のように怪しげな人が訪ねてきている状況でした。

経緯とご相談内容

小川さんは73歳、そして68歳の妻と39歳の息子の3人で暮らしていました。小川さんは住宅ローンを既に完済し、経済的にもゆとりある生活を送っていました。しかし、2年前、一遍する出来事が起きました。それは弟が経営する建設会社が倒産し、連帯保証人になっていた小川さんに7,000万円もの借金がふりかかってきたのです。老後に備えていた預金だけでは足らず、家を売却してお金を用意するしかない状況でした。
小川さんは足の不自由な妻に負担をかけさせたくないという思いから、自己破産することはともかく、自宅だけは守りたいと思っていました。しかし、弁護士事務所へ相談するも、どれも自宅を売却するしかないという返答でした。
どうすることもできず、ただ時間だけが経過していきました。そして、ついに、裁判所から自宅が競売にかかった旨の手紙が届いたのです。そんなとき、小川さんはとある弁護士さんのご紹介で、当社の存在を知ることになったのです。

ご相談者の希望

小川さんは自己破産することは致し方ないとしても、自宅だけは守りたいという要望でした。小川さん自身、都合の良いことを言っていると分かっていましたが、妻への思いから、どうしても、諦めることができませんでした。

  • 今の自宅に住み続けたい
  • 借金問題を解決したい
  • 競売を回避して欲しい

解決のための行動と結果

問題解決

住み続けることを希望していたわけですが、検討できる策は3つ。一つは民事再生、二つ目が任意売却によるリースバック、そして3つ目が親子(身内)間売買です。
まず民人再生の検討からスタートしました。民事再生は自宅の名義変えることなく借金問題を解決する法的手段。これは、小川さんの希望に一番近い解決策でしたが、小川さんの収入状況などから再生計画にのってこず、検討から外れました。
そして、次に、検討したのが、親子(身内)間売買です。小川さんには同居する39歳の独身の息子さんがいました。息子さんに自宅を購入してもらえれば、将来の相続を考えても、都合の良い解決方法になります。また、息子さん自身も協力したいと言ってくれています。
早速、親子間売買の可能な金融機関で、住宅ローン審査を行いました。息子さんは京都市内にある電機メーカーに勤務しており、勤続年数は15年、年収は500万円程ありました。一般的にこの収入状況であれば、どんな金融機関でも承認はおりるでしょう。しかし、親子間売買となれば、そう簡単ものではありません。
そして、審査の申し込みから2週間後、金融機関から審査結果の連絡が入りました。結果は承認です。ただし、融資額は3,000万円でした。親子間売買では銀行は売買される不動産の担保評価を非常にシビアに判断します。通常の住宅ローンであれば4,000万円以上の借入ができる収入状況でしたが、厳しい担保評価によって3,000万円になってしまったのです。それでも、融資承認が得られたのは、不動産の立地条件が良かったことと、勤続年数が15年、大学を卒業してから一度も離職していなかったことがかなりのプラスポイントだったと思います。
しかしながら、今回は任意売却です。任意売却で最も重要な債権者(大阪信用保証協会)の存在を忘れてはいけません。小川さんの自宅を3,000万円で売買することを認めてくれなければ、これまでの検討は全く意味をなしません。
3,000万円という売買価格は相場価格よりも1割程低くいため、売却を認めてくれない可能性も十分考えられました。そこで、上申書を債権者に提出しました。それには次の内容を記載しました。
老後に備えていた預金全てを、既に保証債務に充てた。
小川さん家族が最大限努力して用意できるお金が3,000万円である。
小川さん夫婦は高齢な為、引越すことは健康上で負担である。
こういった内容を上申書にして提出することも、任意売却では有効な手段になります。
債権者への申出から約1ケ月後、無事、任意売却の承認がおりました。
今回、親子間売買が完了するまで約3ケ月かかったのですが、実は競売の入札が始まる2週間前に終了しました。ぎりぎり間に合ったという状況です。
そして、任意売却後に残った借金ですが、これについては当社で自己破産手続きを行い、全ての借金を無くすことができました。

ご相談者の現在

奥さん、息子さんの三人で平穏に過ごされています。小川さんいわく、「あの時、本当に家を出ていくことになっていたら、命を絶とう」と考えていたそうです。高齢な夫婦にとって、長年住み慣れた家を離れることは相当な負担だったのでしょう。「諦めなくて良かった」と何度も言っていました。
一方、協力してくれた息子さんですが、毎月8.5万円の住宅ローン支払っています。収入状況から見れば、無理した返済額ではありませんが、いつ何が起きるか分からないこのご時世、息子さんは「連帯保証人には絶対にならないようにする」と言っていました。

最後に

任意売却における親子(身内)間売買は非常にハードルが高く、その中でも購入者の資金調達が最大のネックになります。ほとんど方は銀行の融資を利用することになりますが、銀行は親子間売買に消極的なため、融資の承認を得ることは非常に難しいのが現実です。銀行が消極的になる理由はお金の流れが不透明に見えるからです。売主と買主の関係性が親族である場合、融資するお金が住宅資金として利用されないのではないかと疑える環境にあります。また、任意売却となると親族である売主に経済的困窮が理由にあるならば、その世帯を共にする買主にも何頭、経済的影響を被っているのではないかと考えるのが自然です。こういった懸念材料をひとつずつ払拭し、銀行に説明しなければなりません。親子間売買をする場合は、しっかりとした根拠づけをし、銀行に相談しなければならないということを知っておいてください。
それと、今回、任意売却後に残った借金は自己破産手続きによって解決を図りました。しかし、私は、自己破産はしばらく債権者の出方を見て、その後自己破産するかしないかを決めてみてはどうかと、小川さんに提案しました。というのも、小川さんは73歳と高齢であるため、債権者ももうこれ以上、積極的な債権回収を行ってこないと思ったからです。しかし、小川さんは早く借金問題を解決したいという思いが強かったため、先だって自己破産手続きを行いました。

この解決事例の著者

烏丸リアルマネジメント株式会社
代表取締役
矢田 倫基

宅地建物取引士
任意売却コンサルタント

これまでに1,200件を超える住宅ローン返済・滞納問題を解決してきた、任意売却のエキスパート。数多くの住宅ローン困窮者を救ってきた面談は「心のカウンセリング」と呼ばれ、関西圏のみならず全国から相談者が後を絶たない。

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