住宅ローン返済中です。離婚の際に連帯保証人から外れることはできますか?
連帯保証人や連帯債務者を外す為には、原則、他の金融機関で借り換えをするなどしてお金を用意し、今残っている住宅ローンを一旦清算しなければいけません。しかし、金融機関によっては別に連帯保証人や連帯債務者を用立てすることで、契約内容を変更してくれたりする場合があります。ですので、まずはそれができないか銀行へ相談してみるよいでしょう。しかしながら、銀行と一度取り交わした契約内容を変更することは非常に難しいのが現実で、連帯保証人となってしまった方の多くは、離婚をしても結局そのままになっているケースがほとんどです。そこで、将来起こるかもしれない連帯保証人のリスクを最小限にとどめるために、主債務者との間で公正証書を活用した取り決めをしておくことをおすすめします。離婚により連帯保証人や連帯債務者のことで悩まれている方は、当社までご相談ください。

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「離婚をするのですが連帯保証人を外すことはできますか」という相談をとてもく多く受けます。連帯保証人になっていれば、いつなんどき借金が自分に降りかかってくるか分かりません。これから別々の人生を歩む二人にとって、お金の問題はなんとしても解消しておきたいでしょう。しかし、一度交わした銀行とのローン契約を途中で変更することは非常に難しいのが現実です。
ただ、絶対に不可能という訳ではありません。次に示す4つ方法のどれかが出来れば、連帯保証人や連帯債務者を外すことができます。
連帯保証人又は連帯債務者を
外す為の4つの方法
別に連帯保証人や連帯債務者を用意する
銀行へ相談する際、ただ単に連帯保証人を外して欲しいというだけの相談では、間違いなく断られてしいます。保証人がいなくなってしまえば銀行にとって単に回収リスクが高くなるだけだからです。
ですので、銀行へ相談に行く際は、連帯保証人を外す代わりに、別の連帯保証人を用意するといった提案をもっていくことが必要になります。ケースによっては認めてくれる場合があります。
他銀行でお金を借りて返済する(借り換え)
変わりとなる連帯保証人や連帯債務者を用意することができなかれば、住宅ローンを組み直す、いわゆる「住宅ローンの借り換え」を検討してみると良いでしょう。そうすることで、単有名義の住宅ローンに組みなおすことも可能になります。
手持ちの現金で住宅ローンを完済する
現金を用意し住宅ローン残金全てを返済することができれば、連帯保証人を外すことができます。しかし、このようなことが出来る方はほとんどいません。
家を売却して住宅ローンを完済する
上記3つのどれもできなければ、やはり家を売却するしかありません。ただし、住宅ローンを完済できるだけの価格で売却しなければならず、もし足らずが生じるのであれば、別で現金を用意しなければなりません。
上記4つのどれもできない場合はどうしたらいいのか?
「将来起こるかもしれないリスクに備えること」
上記4つのどれもできなければ、やはり連帯保証人を外すことはできなくなります。これで、「もう、どうすることもできないのか・・・」と思ってしまうところですが、まだやるべきことがあります。それは、将来起こるかもしれないリスクに備えることです。
将来、起こるかもしれないリスクとは、主債務者が返済しなくなった場合に連帯保証人が変わりに支払わなければならなくなることです。その被害を最小限に済ませるための準備を、相手と連絡が付く今のうちに、しておくことが重要なのです。
それが下記になります。
住宅ローンについて公正証書で取決めをしておく
公正証書は、公証人役場の公証人(判事や検事などを長く務めた法律実務家=公務員)によって作成される法的拘束力の強い文書です。お金の貸し借りなどについて、支払いを怠った場合、原告は裁判を起こすことなく、給与の差押え、銀行口座凍結などの強制執行を即座行えるようになります。
そして、この公正証書に、下記のような内容を記載しておきます。
- 帯保証人が保証債務を支払った場合、連帯保証人はその支払った額を主債務者に請求することができる。
- 連帯保証人が保証債務を支払った場合、連帯保証人は主債務者以外に〇〇〇〇氏に請求することができる。
こうすることで、連帯保証人としてのリスクを最小限にとどめることができるようになります。
民法では、連帯保証人が主債務者の代わりに保証債務を支払った場合、連帯保証人は求償権(きゅうしょうけん)を駆使することで、主債務者に対して、支払った分のお金を返せと請求できるとなっています。しかし、求償権を駆使するには、まず裁判をおこさなけらばなりません。これでは、時間も費用もかかります。
そこで上記の内容を公正証書に明記しておけば、裁判を起こすことなく主債務者の財産をすぐに差押えることができるようになります。また、例2)のように支払った保証債務の請求を主債務者だけでなく、他の第三者にも請求できるようにしておけば、より被害を最小限にとどめることができるようになります。
しかしながら、公正証書を作成しておけば、これで100%大丈夫かという訳ではありません。請求する相手(主債務者等)に資力がなければ、この文書も絵に描いた餅です。ただ、後になって、あのときこうしておけばよかったと思ってもそれは後の祭り、連絡がとれる今のうちに、出来ることはしておいた方がよいでしょう。
任意売却をして、保証債務を減らす
連帯保証人や連帯債務者を外すために家を売却しようとしても、オーバーローン状態(家の資産価値<住宅ローン残債務)であると売却することはできません。そこで、オーバーローン状態でも家を売却できる任意売却をすることで、連帯保証人の保証債務リスクを軽減させることができます。
下記に示すように、家を売却すれば、その分、住宅ローンの残債務が減ります。任意売却をしても連帯保証人から逃れることはできませんが、保証債務の額はかなり減らすことができます。また、任意売却と公正証書を組み合わせれば、将来のリスクに対してより保全することができます。
【注意】
任意売却は原則、住宅ローンが支払えなくなった方を対象とした売却手段です。そのため通常の不動産売却と比較すればやはりデメリットが生じます。そのデメリットについても十分に理解して最終的な判断をしてください。