任意売却を依頼しているのですが売れません…なぜなのでしょうか?

このコラムの要点

売れない理由は、2つ考えられます。
❶ 売却価格が高過ぎる
❷ 売却活動が行われていない
現在の依頼先である任意売却業者が「売れない理由」「本当の理由」を教えてくれるとは限りません。心配・不審に思われたならば第三者、つまり、他の任意売却業者へ相談してみてください。売れない理由がわかるかもしれません。

「他の任意売却業者に任意売却を依頼しているのですが、なかなか売れません。どうしてなのでしょうか?」
他社に任意売却を依頼されている方から、こんなご相談をいただくことがあります。

「任意売却にすれば、売れるんでしょ?」と不思議に思われた方、疑問に思われた方、いらっしゃると思いますが、実はこうした「売れない」という相談はよくあります。

「任意売却を依頼している会社に直接電話をして尋ねれば良いのでは?」とお思いになると思いますが、「売れない、売れていない」という事実、現実に直面している中で、依頼先である任意売却業者が「売れない理由」「本当の理由」を教えてくれるとは限りません。

  • ① 売却価格が高過ぎる
  • ② 売却活動が行われていない(または消極的)

それぞれご説明していきます。

①「売却価格が高過ぎる」から売れない…とは?

不動産の良し悪しは、価格で決まります。いくら駅から近くて、きれいな物件でも高ければ絶対に売れません。逆に、どんなに駅から遠く、古い建物であっても、また、権利関係が複雑なものでも、安ければ必ず買主は現れるものです。

任意売却の際、売却価格を決定するのは実質、債権者である金融機関です。その債権者が立地や築年数、間取りなどを加味した相場とズレた査定を行ってしまえば、当然「売却価格が高すぎる」といったことが起こってしまい、結果「売れない」となります。

任意売却で売れない、買主が現れない場合の理由は、ほとんどが「売却価格が高すぎる」ことです。

大抵の債権者は、状況を見て売却価格を下げるなど対応してくれますが、中にはまったく下げてくれない金融機関もあります。特に競売の申し立てが既になされているような状況にあると、売却価格変更になかなか応じてもらえないことが多いです。

②「売却活動が行われていない」から売れない…とは?

通常、任意売却の依頼先との間で専任(または、専属専任)媒介契約を締結するのですが、その際にレインズという機関に不動産情報を登録し売却活動を行わなければなりません。それにより、多くの不動産会社と物件情報を共有でき、売却活動を促進させられます。

登録することで売却活動が促進されるので、良いことのように見えます。しかし、依頼を受けた任意売却業者の立場のみで見たとき、彼らにとって不都合なことがあります。

それは、売却成立時に得られる「報酬」です。依頼先の業者が自身で買主を見つけられれば、買主から手数料として報酬を手に入れられますが、上記、レインズという機関に不動産情報を登録してしまえば、他社が買主を見つける可能性が出てきます。そうなった場合、依頼先の不動産会社は買主から手数料を手に入れらないないのです。

そのため、レインズに登録することを嫌い、自分たちの力だけで買主を探そうとするのです。当然、売却力は下がります。そしてなによりも、これらは完全な違法行為なのです。売主さんの事情やメリットよりも、自分たちのビジネスメリットを優先した売却活動によって、買主を見つけ出せない状況を作り出しているのです。

以上、2つが売れない理由です。

売れない理由を調べる方法

まず、②「売却活動が行われていない」かどうかは、簡単に調べることができます。パソコンを使って上記、レインズという機関に不動産情報が登録されているか?を確認すれば一目瞭然です。ここで登録されていなければ売れない原因は②、登録されていなければ①が原因となります。

あるとき「売れない」ということでいただいたご相談で、物件の所在地を教えていただき簡易査定したところ、①「売却価格が高すぎる」ことが原因でした。相場以上の価格が売却価格として設定され、その差、なんと約500万円。これでは、売れるわけがありません。

債権者である金融機関の「少しでも多く回収したい」という気持ちも理解できるものの、売却できずに競売になってしまえば本末転倒です。

もし、他社へ任意売却を依頼されていて、なかなか売れない…とお悩みでしたら、ぜひ他の任意売却業者へ相談してみてください。売れない理由がわかるかもしれません。そこで、「任意売却できる見込みがあるのか?」「なぜ債権者は価格を見直してくれないのか?」などを確認されると良いでしょう。

その回答次第では、現在の依頼先に見切りをつけ、別の任意売却専門業者へ依頼することを検討されても良いでしょう。

このお悩み解決コラムの著者

烏丸リアルマネジメント株式会社
代表取締役
矢田 倫基

宅地建物取引士
任意売却コンサルタント

1974年生まれ 大阪府出身
近畿大学 理工学部 卒業

大手ゼネコンにて技術者として従事したのち心機一転、不動産業界へ転職。不動産コンサルティング会社在職中に偶然知った「任意売却」こそ「自分が一生を賭けてやるべき仕事」と直感、一念発起し退職。アポなしで任意売却の専門会社に飛び込み門前払いされるも諦めず、半年間手紙で熱意を伝え続けた末に採用される。真摯に任意売却と向き合い懸命に努力した結果、実績が認められて代表取締役へ就任したものの、独立。日本で初となる法律業務も扱う任意売却専門会社「烏丸リアルマネジメント」を設立し、現在に至る。
金融機関や士業者からの信頼が厚く、任意売却の専門家として全国各地で講演も行う。数多くの住宅ローン困窮者を救ってきた面談は「心のカウンセリング」と呼ばれ、関西圏のみならず全国から相談者が後を絶たない。
『幻冬舎ゴールドオンライン』、『マイベストプロ京都』にてコラム執筆中。著書に『住宅ローンが払えなくなったら読む本』(幻冬社)がある。

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