相続人のいない不動産を売却することはできますか?

はい可能です。 相続人が誰もいない不動産(相続人不存在)を売却するには、家庭裁判所へ「相続財産管理人選任の申立」を行うことから始まり、以下の流れで手続きが進むことになります。 相続財産管理人は家庭裁判所から中立的な立場の弁護士や司法書士が選ばれるのですが、その業務は不動産を売却することが目的ではあ...

はい可能です。
相続人が誰もいない不動産(相続人不存在)を売却するには、家庭裁判所へ「相続財産管理人選任の申立」を行うことから始まり、以下の流れで手続きが進むことになります。

相続財産管理人は家庭裁判所から中立的な立場の弁護士や司法書士が選ばれるのですが、その業務は不動産を売却することが目的ではありません。不動産を売却して得られる代金を債権者に分配したり国庫へ帰属させたりするなど、財産を清算することが目的業務になります。不動産の売却は財産を清算する為の一過程ということを押さえておいてください。

不動産の売却が行われるタイミングは、相続財産管理人が専任され、その公告が開始した後になります。申し立てから約1.5ケ月経過した頃が売却時期ということです。そして、その売却から得られたお金を債権者へ分配するのですが、任意売却でよくあるオーバーローン(債務超過)状態の場合は、債権者・受遺者に対する請求申出の催告・公告の手続きを行い、全ての財産が清算されると相続財産管理人の業務がここで終了することになります。

一方、不動産を売却してその代金が債権者に分配されてもなお残余金が発生する場合は、相続人捜索の公告が行われ、国庫に財産を帰属させるための一連の手続きが行われます。業務が終了するのは申し立てから1年から2年といったところでしょう。

不動産売却を目的とした「相続財産管理人選任の申立」を行ううえで認識しておかなければならないことは、申立てをする方にとって思うような売却結果が得られないこともあるということです。そのため費用倒れとなってしまうリスクも承知しておかなければなりません。冒頭でも言いましたように、相続財産管理人の業務の目的は不動産を売却することではなく財産を清算することにあります。特に任意売却を行う場合は債権者の売却同意が必要であるため、その同意が得られなければ競売になってしまいます。ですので、「相続財産管理人選任の申立」を要する任意売却を行う場合は、債権者へ事前に任意売却に協力してくれるかを確認してから申立てを行うようにしておきましょう。

この回答の著者

烏丸リアルマネジメント株式会社
代表取締役
矢田 倫基

宅地建物取引士
任意売却コンサルタント

1974年生まれ 大阪府出身
近畿大学 理工学部 卒業

大手ゼネコンにて技術者として従事したのち心機一転、不動産業界へ転職。不動産コンサルティング会社在職中に偶然知った「任意売却」こそ「自分が一生を賭けてやるべき仕事」と直感、一念発起し退職。アポなしで任意売却の専門会社に飛び込み門前払いされるも諦めず、半年間手紙で熱意を伝え続けた末に採用される。真摯に任意売却と向き合い懸命に努力した結果、実績が認められて代表取締役へ就任したものの、独立。日本で初となる法律業務も扱う任意売却専門会社「烏丸リアルマネジメント」を設立し、現在に至る。
金融機関や士業者からの信頼が厚く、任意売却の専門家として全国各地で講演も行う。数多くの住宅ローン困窮者を救ってきた面談は「心のカウンセリング」と呼ばれ、関西圏のみならず全国から相談者が後を絶たない。
『幻冬舎ゴールドオンライン』、『マイベストプロ京都』にてコラム執筆中。著書に『住宅ローンが払えなくなったら読む本』(幻冬社)がある。

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