離婚がきっかけの住宅ローン問題

離婚と住宅ローン問題

離婚件数は年間23万件と増加傾向にあり、なんと3組に1組が離婚。なかでも35~55歳の世代の離婚率が際立って上昇しています。この年代は住宅ローンを組み、未だたくさんのローンが残っていることが多いため、離婚によってマイホームを処分したくても売るにも売れないという問題が生じます。

また、二人の収入を合算して住宅ローンを組んだご夫婦は、今後二人の収入を合わせることがないため、実質、ローンを負担する者にとっては経済的な負担が生じてしまいます。

さらに、お互い連帯保証人、連帯債務者となっている場合、新たな生活をスタートさせる障壁となり、さらに二人を悩ませます。

こういった問題を最小限にするための策として、任意売却を活用される方が増えてきています。

住宅ローンが残って家を売ることができない

離婚の際、必ずと言っていいほど問題になるのがマイホームです。すでに住宅ローンが終わっている場合、又は、マイホームを売却してローン残金をまかなえる場合(アンダーローン)は、財産分与問題は生じるものの、双方が納得さえすれば解決できます。

しかし、住宅ローンの残高がマイホームの資産価値よりも多い、いわゆるオーバーローン状態にあると、“売りたくても売れず”、夫婦二人だけでは解決できない問題になってしまいます。

任意売却は、経済的事情によりローンの支払いが出来なくなった方を対象とした不動産売却になります。離婚をしてもローンを支払えるだけの経済的余力がある方は、「通常売却と比較し場合の任意売却のデメリット」について十分に理解したうえ選択してください。

ただ、離婚によって収入が減る方、今はローンを支払えても、近い将来、支払い困難になる恐れがある方は、任意売却は有効な解決手段になります。

連帯保証人・連帯債務者から外れたい

二人の収入を合算して住宅ローンを借りた場合、必ず、夫婦の一方は連帯保証人又は連帯債務者になります。 離婚することになった場合、二人の新たな生活の為にも、誰もがその立場から外れたいと思うものです。 しかし、そう簡単にはその立場から外れることはできません。 連帯保証人・連帯債務者を外すためには、下の3つの選択しかありません。

連帯保証人・連帯債務者を外す為の3つの選択

1. マイホームを売却するなどしてローンを完済する
2. 他銀行でローンの借り換えをする
3. 銀行と交渉する

これらのうちで現実的なのは2の借り換えでしょう。

昨今住宅ローン業界では低金利化が激化していることもあり、各金融機関は積極的に住宅ローンの借り換えを進めています。収入状況など条件が合えば、連帯保証人や連帯債務者を付けずにローンを組み換えることもできる場合があります。まずは、借り換えができないかを各金融機関にあたってみると良いでしょう。

ただ、離婚が原因でローンの借り換えをしたいと伝えれば、借り換えをすることができなくなるので、注意をしてください。

1については、そもそもそれができないから、こうした問題に直面している訳ですから、実質選択の余地はないでしょう。

そして、残されたのが3の銀行との交渉です。

しかし、これは極めてハードルが高く、交渉に成功する方はほとんどいないのが現実です。代わりに連帯保証人や連帯債務者を立ててみては・・・と思いつきそうなものですが、余程の属性の方を用意するあるいは、新たに担保となる財産を提供するといった方でなければ検討のテーブルにもつかないのが現実のところです。

<結論>

他銀行で借り換えをすることができなければ、連帯保証人や連帯債務者を外すことは極めて困難

 

外すことができなかった連帯保証・連帯債務
リスクを最小限に抑えるにはどうしたらいいのか

<住宅ローンを継続して支払う場合>

公正証書の作成

連帯保証人・連帯債務者から外れることができなければ、リスクに備え何かできることがないかを考えなければなりません。
リスクとは、住宅ローンの返済が出来なくなった場合、一方に支払義務が生じることで、これはローンが完済されるまで付いてまわります。
そこで、このリスクを最小限に抑えるために、二人の間で公正証書を作成しておくことをおすすめします。
公正証書は養育費などの支払方法だけでなく、「住宅ローンの返済を滞った場合どうするのか」といった内容の取決めも付け加えることができます。
保証人はいつ何時、債権者から請求を受けるかもしれませんし、法的措置を取られたりすることもあります。こういったリスクを未然に防いだり、最小限に抑える意味でも、離婚前に公正証書を作成しておくことはとても重要になります。

 

<住宅ローンの支払いが困難な場合>

任意売却

住宅ローンの支払いが困難な場合、任意売却をすることも考えた方がよいかと思います。
不動産を少しでも高く売却することで、連帯保証人・連帯債務者の立場から解放されたり、将来のリスクを軽減させることができるからです。
また売却しても借金が残ってしまう場合でも、任意売却であれば毎月の返済額は必然的に見直されますので、以後、支払いはかなり楽になります。
また、主債務者が支払える範囲内で継続して支払っていれば、大きな財産を持っていない限り、債権者から法的措置を取られることはほとんどありません。また、連帯保証人にもなんら影響を及ぼさないケースもあります。
お互い新たな生活をよりよくスタートさせることを考えれば、無理して住宅ローンを支払い続けるよりも、任意売却を選択する方が得策となる場合もあります。

住宅ローンが残っている場合の財産分与

財産分与とは、結婚中に夫婦が協力して築いた財産を分けある行為を言います。夫名義でマイホームを購入したからといって、それは夫だけものではなく、妻の財産でもあります。しかし、住宅ローンがまだ残っているようなケースはどうなるのか?そんな疑問をもつものです。

そこでポイントになるのが、「不動産資産価値」と「住宅ローン残債務」の大小関係です。この関係によって財産分与の仕方が大きく変わります。

オーバーローンの場合 (不動産資産価値<住宅ローン残債務)

財産にはプラスもあればマイナスもあります。上記に示したマイナスの財産500万円(借金)についても名義が誰であるかにかかわらず、夫と妻の共有財産となってしまいます。 しかし、不動産がオーバーローン状態となっている場合は、住宅ローンの契約者でない妻が実際にその借金を背負うことになってしまうのかというとそうではなく、あくまで他にプラスの財産がある場合にこのマイナス財産(500万円)が相殺の対象となるというだけで、相殺されるだけの他の財産がない場合は、債務者である夫一人の借金となり、財産分与の対象から外されます。すなわち、妻は住宅ローンの借金を背負うことはないということです。

アンダーローンの場合 (不動産資産価値>住宅ローン残債務)


アンダーローン状態であれば、不動産はプラスの財産となります。上図ではプラス500万円ということで、夫婦はこれを共有財産として分けることになります。
不動産を売却せずローンを継続する場合は、所有権を有する夫が別途250万円を用意し、妻に支払うかたちになります。

一方が、頭金を負担していた場合の財産分与

住宅購入時、ほとんどの方が頭金を出しますが、その頭金を誰が出したのか、また、いつどのようにして取得したのかによって、財産分与の取り扱いは異なります。

婚姻中に二人で貯めたお金を頭金にしていた場合、これが夫婦二人の共有財産となることは納得できるものの、「独身時代に貯めていたお金」や「親から援助してもらったお金」の場合、二人の共有財産になってしまうのはなんとなく納得できないものです。

どのようなケースで、頭金が共有財産となり、共有財産とならないのか、そして、最終的にどれだけのお金を取得することができるのでしょうか。

頭金が二人の共有財産とならない場合

共有財産とならない、いわゆる夫婦個別の財産です。これを「特有財産」(個別財産)と言いますが、下記のようなケースがそれに当たります。

  • 独身時代(婚姻前)に貯めたお金を頭金にした
  • 独身時代(婚姻前)に親から結婚祝いでもらったお金を頭金とした
  • 婚姻中に相続で受け取ったお金を頭金にした

基本的に婚姻前に取得したお金は特有財産にあたります。しかし、婚姻中であっても“相手方と無関係”に取得した財産(相続・贈与など)についは、財産分与の対象から外されます。
次に、どのようにして分与対象から外され、取得金額が算出されるのか・・・?

(例)自宅購入代金2500万円、頭金:妻500万円、夫:0万円
不動産時価1500万円、夫の単有名義

 
寄与度 (500万円+2,000万円×1/2)÷2,500万円
3/5
(0万円+2,000万円×1/2)÷2,500万円
2/5
取得額 1,500万円×3/5
900万円
 1,500万円×2/5
600万円

全体的な分与割合とは別に、不動産取得時の「寄与度(きよど)」を算出し、取得金額を決定します。

(例では全体的な分与割合を2分の1としています)

 

頭金が二人の共有財産となる場合

  • 婚姻中に2人で貯めたお金を頭金にした
  • 婚姻中に一人で貯めたお金を頭金にした
  • 婚姻中に一方の親から住宅資金としてもらったお金を頭金にした

上記に示したケースの頭金は、夫婦個別の財産とみなされず、二人の共有財産と取り扱われます。

婚姻中に二人で貯めたお金だけでなく、こっそり一人で貯めた頭金も共有財産になります。婚姻生活を送っている以上お互いの協力があって預金ができるという前提にあるからです。注目すべきところは、婚姻中、親から住宅資金として得たお金です。“住宅資金として“というのがポイントになります。住宅資金でない贈与であるなら特有財産として取り扱われますが、使途が住宅資金ならそれは夫婦が共同生活を送る為におこなった贈与になるため、不動産名義が誰であるかにかかわらず、二人の共有財産として取り扱われます。

ローンが残った状態で名義変更はできるのか

離婚の際、抵当権が付いた状態で、マイホームの所有権を「夫から妻へ」移転しようと試みる方がおられます。

法律的にはこの所有権移転登記は違法ではありません。

しかし、銀行との間で取り交わされた「金銭消費貸借契約」(住宅ローン契約)には、「銀行の承諾なくして所有権移転登記をしてはならない」と明記されています。

契約違反が発覚すると、最悪の場合、銀行とのローン契約が解除され、分割して支払う権利(期限の利益)を失い、一括弁済請求を受ける可能性があるのです。

しかしながら、銀行に所有権移転の承諾を得ようと交渉を試みても、「全額返済してくれない限り一切認めません」と言われるのが落ちで、そこには交渉の余地がないのも事実です。

財産分与で不動産の権利を守るには、登記手続きによる所有権移転だけではありません。公正証書などを作成することで、法的に不動産を守ることもできます。

ですので、決して銀行の承諾なくして、所有権移転登記はしないようにしてください。

<必読>前夫が住宅ローンを支払い、前妻・子が住み続ける場合のトラブル

離婚をしても子供の学校の関係上、どうしても引越しすることが出来ない場合があります。そこでよくあるケースが「前妻・子がそのまま家に住み続け、前夫が住宅ローンを支払う」という形態です。

実はこのケース、離婚して数年後、トラブルになることがよくあるのです。

というのも離婚後、住宅ローンの返済が滞った場合、前妻が前夫に代わって返済しようとしても、銀行はそれを受け取ってくれないのです。

住宅ローンを返済することができるのは債務者あるいは連帯保証人・連帯債務者しかできず、第三者が返済するには債務者の同意を要するなど一定の条件を満たす必要があります。

前夫と連絡がとれない状況と滞納が続けば最終的に競売になり、前妻・子は家を出て行かなければなりません。

そこで、こういった最悪の事態を防ぐために、離婚前に下図のような対策をとっておくことをおすすめします。

離婚される方の多くは、その後、厳しい経済事情がまっているものです。一方に住宅ローンの返済を任せきりにしておくというのは、非常にリスクが高いのです。また、「慰謝料代わりに住宅ローンを負担してもらう」という取り決めをする場合がありますが、決してバランスのとれた決め事ではないことも合わせて認識しておいてください。

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